派閥解消で総裁選の環境に変化?

そんな折、自民党の派閥による裏金事件が発覚。事態打開のために岸田総理が乾坤一擲、自身の派閥の解消を表明すると、安倍派や二階派なども雪崩を打ったために、党内ではもはや無派閥議員が最大勢力となった。
派閥の存在によって幾度となく涙を呑んだ野田氏。こうした状況は有利なのではないだろうか?しかし、野田氏の周辺は口々に「それは甘い」と言う。
「派閥が解消されたことでヒトやカネの面でフェアになったように見えるが、オモテに見える派閥が無くなっただけで、結局はウラで元の派閥が一丸となるから状況に変わりはない」
前回の総裁選よりも推薦人の確保が難しくなるとの厳しい指摘も。
「野田氏を影で応援してくれていた“(永田町の)長老”たちの判断も次の総裁選まで活きるかどうかわからない。そうなると、前回推薦人になってくれた人たちが『今回も』とはならない可能性がある」
一方で「総裁選の構図次第」というのも共通認識だ。
「岸田総理が解散総選挙を打った後に総裁選なのか、打たないまま総裁選なのか、それとも総裁選にすら出られず退陣するか」
「少子化、手をこまねいてはいけない」野田氏インタビュー

野田氏が次の総裁選に臨めば今度で5度目のチャレンジとなる。体力、財力、精神力を消耗する、はたまた人間関係も壊しかねない総裁選になぜ挑み続けるのか。野田氏に聞いた。
「この国はもう人口減少っていうすさまじい歴史の転換期にいるのに、手をこまねいてはいけないなと。普通の男の人はすぐ『失われた30年』って言うけど、私からすると『何もやってない30年』。それをやるためには、やっぱり(総理になって)大きな力を持って、ありとあらゆる能力を引っ張り出せる新しい国の形を作りたいので頑張っているかな」
“泡沫候補”と呼ばれても。野田聖子議員の挑戦は続く。
TBSテレビ政治部 新田晃一