災害死ゼロに向けて…
南海トラフ地震の脅威も指摘される中、栗山所長は災害死ゼロの実現に向けて、まずは「家具の固定化」と「家屋の耐震化」を進めてほしいと呼びかけます。

東北大学災害研 栗山進一所長:
「地震による直接死を防ぐため、まずは家具の固定化を進めてもらいたいと思います。L字型の金具で固定する、転倒防止の突っ張り棒を設置するなどして対策を進めてほしいと様々な場面で呼びかけています。また、西暦2000年より前に建てられた木造住宅は注意が必要です。能登半島地震でも古い木造家屋が軒並み倒壊していました。ただ、耐震工事にはお金がかかりますので、行政がしっかり支援できるような態勢づくりが重要です」

栗山所長は、防災を「個」の責任に押し付けてはいけないと話します。
東北大学災害研 栗山進一所長:
「喫煙を例にして言えば、講演会で喫煙のリスクをいくら呼びかけてもなかなか効果はありませんでした。しかし、2020年に改正健康増進法が施行されて分煙が進んだことで喫煙率はぐっと下がりました。
同じように防災についても法整備を進めるなどして、社会全体で防災に取り組むための仕組みづくりが必要です。
また、障害のある方、医療的なケアが必要な方も含めて誰一人取り残さない『インクルーシブ防災』を目指す必要があります。そのためにも日頃のコミュニケーションが大切です。災害が起きた時に知らない人同士でできることには限りがあります。普段から知り合ってコミュニケーションを深めておくことで信頼関係にもつながります。地域のコミュニティは、防災にとってとても重要です」
NスタみやぎSP「東日本大震災13年の現在地」や栗山所長への取材を基に記事を作成しました。













