13年前の教訓は生かされたのか?

地震や火災、津波により甚大な被害をもたらした能登半島地震。13年前の東日本大震災の教訓は生かされたのでしょうか。

東北大学災害科学国際研究所 栗山進一所長(公衆衛生学):
「津波からの避難という点では教訓が生かされていたと思います。しかし、避難所運営での寒さ対策や衛生環境、支援物資の配送という点では教訓が生かされたとは言い難いのではないでしょうか。今後、改善していく必要があります」

特に能登半島地震では、避難所の「トイレ」が課題となりました。

東北大学災害研 栗山進一所長:
「仮設トイレが避難所の居住スペースから離れた場所に置かれていた所が多かったと思います。夜に仮設トイレに行列ができるという場所もあったと聞いています。特に夜間に仮設トイレに行くことは防犯上の懸念もあります」

簡易トイレ

栗山所長は、「簡易トイレ」を常備しておくことで衛生環境の改善につながると指摘します。簡易トイレは、ビニール袋を洋式の便座にかぶせて使用します。用を足した後は、凝固剤を入れて固めビニール袋ごと可燃ごみとして処分することができます。

東北大学災害研 栗山進一所長:
「便などから様々な感染症が広がっていくため、簡易トイレを使うことでそうした危険を防ぐことができます。また、トイレが汚いと心理的にトイレに行きたくなくなり、水分を控えてしまうことで血栓ができるなどの悪影響を及ぼします」