米下院は、ロシア産石油製品の輸入国に追加関税を課す新たな権限をトランプ大統領に与える法案を可決した。米国の貿易相手国に幅広い新たな関税を課す法的根拠になると懸念し、反対してきた企業・業界団体には痛手となる。

下院は16日、262対159で法案を可決した。ウクライナ当局者は、ロシアの侵攻と戦うウクライナに対する米国の支援を具体的に示す動きとして、法案を歓迎している。戦争は5年目に入り、激化の重大局面を迎えている。

この法案は上院で先月、圧倒的多数で可決されており、トランプ氏の署名を経て成立する。ホワイトハウス当局者によると、数日中に署名が行われる予定だ。

トランプ氏が新たな権限を行使すれば、中国やインド、米国の同盟国トルコなど、ロシア産石油製品の主要輸入国5カ国に幅広い新たな関税を課す可能性がある。民主党は欧州連合(EU)を法案上、単一の国とみなさないと明記する修正案を提出したが、適用範囲を事前に限定する試みは退けられた。

ジョンソン下院議長

ジョンソン下院議長は採決後の声明で、「この法案はロシアの政府と金融機関のほか、安価なロシア産石油・ガスを購入し、ロシア政府がほかの制裁を逃れるのを手助けすることでウクライナ侵攻に加担する外国政府に対する経済制裁を強化するものだ」と指摘した。

法案には全米商工会議所や全米外国貿易評議会(NFTC)などのビジネス団体が反対し、今月、下院で審議が停滞したようにみえた。だが米政権は最終的に、長期休会に入る前の採決を下院指導部に求めた。

米政権が新たな権限を実際に使い、イランやロシアへの圧力を強めるかは不透明だ。ホワイトハウスは、大統領の裁量で制裁を科さないことができる幅広い適用除外を法案に盛り込むよう調整した。

法案は、米国に輸入されるロシア製品に500%の関税を課す権限を大統領に与える。さらに大統領は、ロシア産原油・天然ガスの輸入上位5カ国や、制裁逃れを支援する国には100%の追加関税を課すことができる。この関税権限は5年後に失効する。

今回の法案には、1996年イラン制裁法の適用期限を2031年まで延長することも盛り込まれた。イランと取引を行う米国以外の企業に対して二次的な経済制裁を科すもので、今年失効する予定だった。

原題:House Passes Bill Allowing New Tariffs on Russia Oil Buyers (1)(抜粋)

--取材協力:Michelle Jamrisko.

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