米政府当局は、世界各地を航行する20隻近い船舶に対するサイバー脅威を追跡している。複数の米当局者が明らかにした。

米沿岸警備隊は、対象となっている船舶が米国に入港する予定がある場合、事前通知を求めている。公に発言する権限がないとして、3人の当局者が匿名を条件に語った。これらの船舶の具体的な目的地や積み荷は、現時点では明らかになっていない。

米サイバーセキュリティー・社会基盤安全保障庁(CISA)の当局者1人によると、8月下旬には複数の商船がサイバー攻撃の標的になった恐れがある。ただ、ハッカーが船舶の制御に至った様子はないという。国土安全保障省の当局者によれば、沿岸警備隊は現在、連邦捜査局(FBI)や同省とともに、これらの船舶を追跡している。

海運業界を狙ったサイバー攻撃への警戒は近年強まっている。船舶が航行や通信などの業務でデジタルシステムへの依存を強めているためだ。各国政府やセキュリティー研究者は、ハッカーがこうしたシステムを悪用してサプライチェーンを混乱させようとしていると、繰り返し警告してきた。戦争や地政学的な対立を巡る圧力にさらされている世界の海運業界には、さらにサイバーリスクものしかかる。

米沿岸警備隊は声明で、米国に入港しようとしていた外国船籍の商船2隻に対し、メキシコ湾で立ち入り検査を実施したと明らかにした。「両船舶のネットワークが侵害された兆候を受け、船舶の運用・ITシステムの健全性を確保する」のが目的だったとした。脅威に対処するため、1隻目には8月21日、2隻目には同24日に立ち入り検査を実施した。

沿岸警備隊は「現時点で、運航の支障や船舶の不安定化、乗組員への身体的な危険、環境への影響は報告されていない」と説明。港湾運営者や船主などの関係者と積極的に連絡を取っているとした。

原題:US Tracking Cyber Threats Against Nearly 20 Ships Worldwide (1)(抜粋)

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