恒常的な所得に連動する家計消費

実質家計消費と実質可処分所得は、平常時には連動性が非常に高い。しかし、コロナ禍で一人当たり10万円の特別定額給付金が支給された際は、厳しい行動制限が課せられていたことから貯蓄率が急上昇し、両者が大きく乖離した。また2024年に所得税・住民税減税が行われた際も可処分所得の増加は消費の押し上げにほとんど寄与しなかった。

このことは、消費の持続的な回復を実現するためには、一時的な所得の増加ではなく、恒常的な所得の増加が重要であることを示している。

先行きの実質可処分所得は、名目賃金の高い伸びが続く一方、物価の上昇ペースが加速することから、2026年度末にかけて低迷し、消費も停滞することが予想される。2027年度に入ると、食料品の消費税率引き下げに伴う物価上昇率の低下によって実質可処分所得が押し上げられ、消費も伸びを高めるだろう。ただし、消費税率の引き下げが2年間の時限措置となっているため、実質所得の増加のかなりの部分は貯蓄にまわることが想定される。このため、実質可処分所得の増加に比べて家計消費の増加は小幅にとどまる公算が大きい。家計貯蓄率は足もとのほぼ0%から2027年度には2%程度まで上昇するだろう。

民間消費は2025年度の前年比1.3%の後、2026年度が同0.5%、2027年度が同1.0%と予想する。