実質成長率は2026年度0.8%、2027年度1.3%を予想

2026年度末にかけて停滞色が強まる見通し

日本経済は、2025年10-12月期から2026年4-6月期まで3四半期連続で0%台半ばから後半とされる潜在成長率を上回る成長となったが、先行きは回復ペースが鈍化することが予想される。消費者物価の川上段階に当たる企業物価はすでに大きく上昇しており、先行きは食料品や日用品など幅広い品目で値上げの動きが広がり、消費者物価の上昇ペースは再加速することが見込まれる。物価上昇に伴う実質購買力の低下を主因として民間消費は低迷が続き、2027年1-3月期は飲食料品の消費税率引き下げ前の買い控えの影響もあり前期比でマイナスとなるだろう。

設備投資は高水準の企業収益を背景に基調としては回復を続けているが、中東情勢の悪化を受けたコストの大幅上昇や不確実性の高まりから、回復ペースは当面緩やかにとどまる可能性が高い。輸出はグローバルなAI関連需要が押し上げ要因となるものの、中東情勢による下押しの影響が残るもとで、内需を中心に景気が低迷している中国向けが低調に推移することから、緩やかな増加にとどまることが予想される。輸出が景気の牽引役となることは期待できないだろう。

2027年度に入ると、消費税率引き下げに伴う物価上昇率の低下から家計の実質購買力が改善し、民間消費が回復に向かうほか、原材料価格の低下に伴う企業収益の改善を受けて設備投資の増勢ペースが加速することが予想される。2027年4-6月期は、消費税率引き下げ前の買い控えの反動に実質購買力の改善が加わり、民間消費が高い伸びとなることを主因に、前期比年率2.7%の高成長となるだろう。その後も、民間消費、設備投資などの国内民間需要を中心に潜在成長率を上回る前期比年率1%台の成長が続くと予想する。

実質GDP成長率は2026年度が0.8%、2027年度が1.3%と予想する。当研究所では、飲食料品の消費税率引き下げ前の買い控えにより2026年度の実質GDPの水準が▲0.1%押し下げられる一方、その反動と物価上昇率低下に伴う実質購買力の改善により2027年度の実質GDPの水準が0.3%押し上げられると試算している。実質GDP成長率への影響は2026年度が▲0.1%ポイント、2027年度が0.3%ポイントとなる。