(ブルームバーグ):米国では予想を下回るインフレ統計が2日連続で発表され、国債市場は強気地合いとなっている。金利オプション市場では、年内利上げを見込んで積み上げていたポジションが急速に手じまわれている。
16日は原油価格と欧州国債利回りの上昇を受けて、米国債が下落したものの、担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動するオプション市場では、引き続きプットオプションの売りが取引の中心となった。SOFRは連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利に連動して上下する傾向があり、そのオプションは政策金利の変化を見込んだポジションを構築する主要な手段となっている。
ナティクシスの米国担当チーフエコノミスト、クリストファー・ホッジ氏は「利上げは既定路線ではないということを、市場が認識し始めたのだろう」と語る。「市場予想を大幅に下回るインフレ指標が2つ続き、インフレ見通しも改善したことで、現在の政策は十分に景気抑制的である可能性が高まった」と述べた。
14日に発表された6月の消費者物価指数(CPI)、および翌日の生産者物価指数(PPI)はいずれも、エコノミストが予想していた以上にインフレの鈍化を示した。その結果、米政策金利に対する市場の予想は、2027年の年央までに25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが1回、もしくはゼロ回との見方に変化した。これまでは少なくとも今年1回を含む計2回の利上げが予想されていた。
金利スワップ市場では、7月29日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で予想される利上げはわずか4bp分しか織り込まれていない。1回25bp利上げの確率に換算すると約16%となっている。週初の時点では7月利上げの確率は約40%として織り込まれていた。12月限の契約では29bpの引き締めが織り込まれており、週初の43bpから低下した。
その結果、利上げに備えるヘッジ需要は急減し、トレーダーはここ数週間で取得したプットオプションを売却している。
16日のSOFRオプション市場では、9月限と12月限のプットオプションを中心に、引き続き売りが取引の中心となった。前日にも同様の動きが見られ、建玉(未決済残高)が減少したことから、新規ポジションの構築ではなく、既存ポジションの手じまいを目的とした売却だったことが示唆されている。
もっとも原油価格はインフレを再燃させる可能性があるため、FOMCに向けたヘッジ取引を左右する重要な要因であることに変わりはない。米国とイランの停戦崩壊を受けて、原油価格はこの1週間上昇しており、インフレの落ち着きを示した物価統計が米国債利回りを押し下げる効果を一部相殺している。
原題:Bond Traders Bail on Fed Hike Wagers on Softer Inflation Outlook(抜粋)
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