(ブルームバーグ):資産運用会社フィデリティ・インターナショナルは、今年に入って縮小した金のポジションをいずれ再び積み増す方針だ。金相場の長期的な押し上げ要因はなお健在だとみている。
同社のマルチアセット・ポートフォリオマネジャー、イアン・サムソン氏は最近のインタビューで、「金を再びオーバーウエートに戻す計画はある」とし、「問題は時期だ」と語った。
金価格は4-6月(第2四半期)に14%下落し、2013年以来最悪の四半期を記録した後、ここ数週間は1オンス=4000ドル近辺で一進一退となっている。中東紛争による原油高でインフレリスクが高まり、投資家は年末までの利上げを織り込み始めている。フィデリティのマルチアセットチームも例外ではない。
これはイラン戦争前の市場心理とは大きく異なる。当時は、市場関係者の間で米連邦準備制度が利下げに動くとの見方が強かった。金利が低下すれば、利息を生まない金を保有しても、利回りのある資産を持たないことで失う収入は少なくなる。
同氏は、1-2月に金ポジションをオーバーウエートからニュートラルに引き下げたと説明した。これは数年にわたる金の強気相場が突然終わった時期とほぼ重なる。1オンス=5600ドル近辺の過去最高値からの下落は1月末に始まり、その1カ月後に戦争が勃発すると加速した。
現在の金市場について、「短期的には逆風と追い風が拮抗(きっこう)している」と指摘。「年末までには現在の水準からやや上昇すると予想している」と述べ、27年中に強気相場が戻るとの見方を示した。
その強気相場のシナリオが崩れるのは、「政府が財政規律を再び重視し、中央銀行が本気でインフレ率を押し下げようとする世界に戻った場合」だけだとした上で、「だが、われわれがいるのはそういう世界ではないと思う」と語った。
金相場が回復する時期と規模は、多くの要因に左右されると説明した。原油価格の今後の推移や米金融当局の政策金利判断に加え、金市場が勢いを取り戻し、それを維持できるかも重要になるという。
金は現在の水準近辺で引き続き下支えされる可能性があるが、最初の強気シグナルは、50日移動平均線が長期移動平均線を上回ること、または1オンス=4300ドルへの上昇だと同氏はみている。「一定の上昇圧力を示す」と述べた。
また、これまでの強気相場に大きく寄与してきた各国中央銀行の金購入も、相場を引き続き下支えすると付け加えた。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)とユーガブの最近の調査では、今年、金の購入を増やす計画の中央銀行が過去最多となった。
同氏は「こうした大規模な構造的・戦略的買い手がいるなら、金価格はほぼ必然的に押し上げられる」と述べた。
原題:Fidelity Plans to Rebuild Gold Holdings on Long-Term Bull Case(抜粋)
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