女性の職域拡大はどの職業カテゴリーで進んだか
実際に、専門職のうちどのような職業カテゴリーで女性が増えたのだろうか。女性の専門職化が進んだとしても、それが従来から女性が多かった職業における増加なのか、それとも従来は男性が多数を占めていた職業への進出なのかによって意味合いは大きく異なる。そこでまず、専門職全体の構成変化を確認したい。まずは変化を大まかにとらえるために、国勢調査の「専門的・技術的職業従事者」の職業分類(中分類)ごとに、5年ごとの就業者数の推移をプロットしたものが図表2(画像2枚目)である。

なお、中分類には全部で12種類あり、1995年調査以降、名称変更されたものがあるが、図表2の凡例は2020年調査の名称を使用している。国勢調査の職業分類は、「日本標準職業分類」の改訂に合わせて見直されているため、例えば2020年調査の中分類「経営・金融・保険専門職業従事者」は、1995年調査では「公認会計士、税理士」という名称だったが、「社会保険労務士」や「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」という新たな小分類を包摂して2000年から名称変更された。その他にも名称変更された中分類はあるが、対象範囲の実質的な変更はない。
始点の1995年と終点の2020年で女性就業者数を比較すると、中分類12種類のうち「宗教家」と「音楽家、舞台芸術家」を除く10種類で増加している。男性と比較して、女性の方が、全体的に右肩上がりの線を描いており、伸びが大きい。12種類のうち、特に増加人数が多いのは、看護師や医師、保健師などの「保健医療従事者」(25年間で約62万人増)と、保育士やケアマネージャーなどの「社会福祉専門職業従事者」(同約54万人増)である。増加率で見ると、弁護士や司法書士などの「法務従事者」(166%増)、システムコンサルタントやプログラマーなどの「技術者」(136%増)も飛躍している。