「職業内の平等と公平」が次の課題に

本稿でみてきたように、過去25年間の女性の専門職化の実相は、女性中心の職業で女性がさらに増えただけではなく、医師、法曹、会計専門職、研究者、建築技術者など、従来は男性が多数を占めていた職業にも女性が着実に進出してきた点に特徴がある。1999年の男女雇用機会均等法改正や女子の高学歴化を背景に、女性が活躍できる職域は着実に拡大してきたと言えるだろう。

もっとも、女性割合が4割を超える職業は依然として限られており、建設技術者や情報技術者などでは女性比率はなお低い。また、「男性の職場」への女性進出が進んだ一方で、「女性の職場」への男性進出は限定的であり、性別職域分離は依然として残っている。今後は職業への参入機会の平等に加え、管理職登用や専門分野の選択、賃金水準など、同じ職業内で生じる垂直的な性別格差にも目を向ける必要がある。女性の職域拡大は着実に進展したが、その先にある「職業内の平等と公平」が次の課題となっている。今後問われるのは、その職場の中で女性がどこまで中核的な役割を担えるようになるかであろう。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子)