増加が続くパワーカップル・パワーファミリー、共働き社会の実像を映す存在
若い世代で共働きが一般的になりつつある中で、夫婦ともに高収入のパワーカップル(夫婦ともに年収700万円以上の共働き夫婦)は増加傾向にある。
世帯数としては2025年で49万世帯に達し(総世帯の約1%、共働き世帯の約3%)、過去10年で2倍を超える水準に増えている。
消費者全体からすればニッチな層にも見えるものの、不動産市場をはじめとする消費のけん引役として知られている。
特に、パワーカップルの約7割は子育て世帯でもあり、パワーファミリーとして不動産に加え、教育や旅行など幅広い領域での消費が注目されている。
また、物価高で個人消費に力強さを欠く中、堅調な消費者層としても注目されている。
パワーカップル世帯の増加は、足元の賃上げの広がりや、国税庁統計における年収1,000万円超の給与所得者の増加など、高収入層が裾野から厚みを増している動きとも重なる。
こうした状況を背景に、近年では他の研究機関からも注目が集まっており、例えば野村総合研究所は、都市部居住で世帯年収3,000万円以上の大企業共働き世帯を「スーパーパワーファミリー」と定義し、次世代の富裕層候補として分析している。
世帯年収の高さに着目した議論が広がる一方で、本稿で扱うパワーカップルは、夫婦それぞれが一定の年収水準に達している点、つまり、夫婦双方がキャリアを積みながら働き続けている姿に着目した概念である。
共働き社会がどこまで進んだのかを映す存在として、その動向は引き続き注目に値する。
これまでも定期的にパワーカップル世帯の動向について分析しているが、本稿では、あらためて統計の最新値を用いて、まず総世帯の所得分布の全体像などを捉えた上で、共働き世帯であるパワーカップル世帯の動向に注目する。