(ブルームバーグ):イラン戦争開始以降にペルシャ湾に入ったイラン関連ではない大型タンカーのほぼ全てが、積み荷を載せて無事に湾外へ出航していることが分かった。ホルムズ海峡通航のリスクを受け入れる船主が少数ながら現れていることが浮き彫りになった。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、3月1日以降、イラン関連ではない石油・液化石油ガス(LPG)運搬船少なくとも19隻がホルムズ海峡を通過してペルシャ湾に入り、その後湾外へ出た。一方、紛争前に湾内へ入った同種のタンカー約100隻は、攻撃への懸念から足止めされたままとなっている。
2月末の米国・イスラエルによる攻撃をきっかけに、イランが報復を激化させ、ホルムズ海峡の支配を強めたことで、世界の重要なエネルギー輸送ルートである同海峡を通る商船の通航はおおむね停止状態に陥った。それでも、一部の船舶は、政府レベルで取り決められたケースを含むさまざまな枠組みを通じて海峡を通過している。

実際には、湾内で足止めされている船舶数や海峡通航に成功した船舶数は、さらに多い可能性がある。この地域では、多くの船舶が攻撃回避のため衛星信号を切っているためだ。
通航に成功した19隻のうち、7隻はギリシャのダイナコム・タンカーズ・マネジメントとの関係が確認されている。同社は紛争開始後もホルムズ海峡の利用を継続している主要企業の一角だ。
ダイナコムの担当者はコメントを控えた。
各船舶が輸送していた積み荷の大半は、アラブ首長国連邦(UAE)産およびイラク産だった。残る船舶のうち3隻は、サウジアラビア産、もしくは同国産と他の湾岸アラブ諸国産を混合した原油を運んでいた。
データによると、戦争開始後にペルシャ湾へ入った大型タンカーで、まだ湾外へ出ていないのは1隻のみだった。
ただ、こうした通航実績は戦争前のホルムズ海峡の通常水準と比べるとごく一部にとどまる。戦前には、同海峡を通過する輸送量は世界の石油供給の約5分の1を占めていた。

原題:Tankers Entering Hormuz During Iran War Are Making Their Way Out(抜粋)
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