(ブルームバーグ):ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスは6日、スマートフォン市場の鈍化が同社の重要な収入源を圧迫していると警告する一方、人工知能(AI)データセンターの伸びがその落ち込みを十分に補うとの見方を示した。
レネ・ハース最高経営責任者(CEO)は1-3月(第4四半期)決算の電話会見で、スマホ需要低迷に警戒感を示しながらも、減速は主に低価格帯に集中しており、アームへの影響は限定的だと説明した。
決算発表後の時間外取引でナスダックに上場しているアームの株価は大きく変動。ニューヨーク時間午後5時45分(日本時間7日午前6時45分)までに約6%下落した。同社株は年初来で終値ベースで2倍超に上昇しており、市場の期待が高まっていた。
依然としてスマホ市場への依存度が高いアームだが、スマホ市場は今、半導体メモリー不足により端末メーカーの生産が制約を受け、不安定な状況にある。データセンターなど他市場への事業展開は、こうした変動の大きい分野からの影響を和らげる狙いがある。
注目指標のロイヤルティー収入は1-3月期に6億7100万ドル(約1050億円)と、市場の予想平均(6億9300万ドル)を下回った。
同社によると、4-6月(第1四半期)の売上高は約12億6000万ドルとなる見通し。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は12億5000万ドル。一部項目を除く1株利益は40セントと見込まれ、市場予想の36セントを上回る。
この見通しは、データセンターからの売上高拡大に向けた取り組みを反映している。クラウド事業者はAIサービスの急増に対応するためインフラ投資を拡大しており、その結果、アームへの依存が高まっている。
ハース氏はインタビューで、「データセンター分野における主要なプレーヤーとしての地位を急速に確立しつつある」と語った。

同氏は、AI計算需要の急拡大を取り込むため、自社開発半導体の販売開始にも踏み出している。これまでアームは半導体設計の提供に注力し、売上高はライセンス料とロイヤルティーが中心だったが、中央処理装置(CPU)の提供により、AIデータセンター構築の拡大からより直接的な恩恵を得たい考えだ。
新製品の「AGI CPU」は「2027年と28年全般」で20億ドル余りを生み出す見込みだという。今年3月時点で受注は10億ドルに達していた。
今年1ー3月の売上高は前年同期比20%増の14億9000万ドル、1株利益は60セント。いずれも市場予想を上回った。顧客の将来需要を示すライセンス収入は8億1900万ドル。市場予想の平均は7億7560万ドルだった。
自社ブランドで半導体を販売する戦略は、業界全体に中立的な基盤技術を提供してきたアームにとって大きな事業転換となる。23年に新規株式公開(IPO)を実施した同社は、引き続き株式の大半をソフトバンクGが保有している。
ソフトバンクGは4月、ハース氏にグループ内での役割拡大を指示した。ソフトバンクG創業者の孫正義氏が進めるAI半導体事業強化の一環で、ハース氏が海外事業を統括する。
ハース氏はアームのCEOを続けつつ、米カリフォルニア州サンカルロスに本拠を置くソフトバンクグループ・インターナショナルを率い、グループ内の半導体およびAI企業の連携を促進する。
原題:Arm Warns of Phone Market Weakness, With AI Helping Offset Slump(抜粋)
(詳細を追加して更新します)
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