ホルムズ海峡封鎖でガソリン価格はどうなる?
米国とイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始し、イランが報復攻撃で応じたことで攻撃の応酬が続いている。イランとイスラエル(及び米国)は一昨年と昨年にも交戦したが、短期・限定的な衝突に留まっていた。
しかし、今回はイランの体制転換をも視野に入れた米国・イスラエル側による大規模な第一撃によって最高指導者ハメネイ師をはじめとするイランの要人が多数死亡したこともあり、同国による反撃も苛烈なものとなっている。
また、ホルムズ海峡は「世界の原油輸送の大動脈」(世界消費量の約2割にあたる原油・石油製品が通過)であるが、イランは同海峡の封鎖を宣言し、航行中のタンカーを攻撃したほか、周辺産油国であるサウジアラビアやUAEの石油関連施設への攻撃も実施した。
中東からの原油供給が急減する懸念が高まり、原油価格は急上昇、WTI先物価格の昨日終値は1バレル74ドル台(ドバイ原油は81ドル台)と、武力衝突前から約1割、昨年末からは約3割高い水準になっている。
ガソリン価格の上昇は避けられず
原油価格が上昇した際に、真っ先に直接的な影響が生じるのがガソリン価格だ。国内のレギュラーガソリン平均小売価格(以下、単に「ガソリン価格」と表記)は、基本的に原油価格と円相場の動きを反映して変動する。
原油高や円安の際には、原油の輸入価格が上昇し、ガソリン卸売価格を通じて小売価格にも上昇圧力が及ぶ。原油安や円高の際には、これとは逆の動きとなる。さらに、2022年以降は政府による補助金制度・税制の変更が追加的な変動要因となってきた。
直近3月2日時点のガソリン価格は1リットル158.5円と年初以降上昇基調を辿っているものの、昨年同時期の価格(3月3日時点で184.1円)と比べると25円余り低い水準にある。
OPECプラス(主要産油国による協調生産体制)による急ピッチの減産縮小(=増産)を受けて国際的な原油需給が緩和したことで、昨年末にかけて原油価格が大きく下落したうえ、昨年末に政府がガソリン暫定税率(1リットルあたり25.1円)を廃止したためだ。
ただし、今週初めから原油価格は大幅に上昇しているため、今後はガソリン価格に上昇圧力が波及する。原油価格の水準が目先大きく動かなければ、2~3週間後のガソリン価格は1リットル 170円前後まで上昇する公算が大きい。
