(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)は4日、人民元の中心レートを予想よりもかなり元安の水準に設定した。元の上昇を抑制しようとしていることを示唆している。
人民銀は元の中心レートを1ドル=7.0733元に設定。ブルームバーグが集計したトレーダーやアナリストの予想平均(7.0569元)よりも0.0164元の元安水準だった。中心レートと予想平均値との乖離(かいり)は2022年2月以来の大きさとなった。
INGのチーフエコノミスト、リン・ソン氏は、「中国人民銀行は通貨の安定を優先してきたため、ここ1週間の比較的急速な元高を受け、さらなる上昇のペースを抑制しようとしていることは驚きではない」と指摘。「年内に1ドル=7元の水準を試す展開は予想していないが、来年のどこかの時点では同水準を突破する可能性が高い」との見方を示した。
米中関係の改善を巡る楽観を反映し、人民元は1ドル=7元という重要な心理的水準に徐々に近づいている。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が予想外の電話会談を行い、トランプ氏が来年訪中する可能性が伝えられて以来、その勢いはさらに強まった。
貿易摩擦の緩和が中国株への資金流入を後押しており、人民元はオンショア、オフショア市場の両方で20年以来最大の年間上昇率となる勢い。米国の財政懸念によって引き起こされたドル安も、人民元にとって追い風となっている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシンガポール在住アジア調査責任者、クーン・ゴー氏は、今回の動きについて「当局が元高のペースを管理しようとしていることを示唆しているが、重要な点は、元高そのものを阻止しようとしているわけではないということだ」と指摘。「特に今後、為替相場のボラティリティーが予想される中で、当局はより緩やかな元高の道筋を望んでいる可能性が高い」と述べた。
4日午前の取引で、オンショアおよびオフショアの人民元は0.1%下落した。
原題:China Gives Most Forceful Signal Since 2022 to Slow Yuan Gains(抜粋)
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