(ブルームバーグ):19日の日本市場では債券が下落(金利は上昇)。新発5年債、30年債、40年債の利回りがいずれも過去最高を更新した。衆院選の公約に消費減税を盛り込む動きが与野党で強まり、財政悪化懸念から売りが膨らんだ。トランプ関税によるリスク回避で株式は続落。円は対ドルで上昇した。
高市早苗首相は19日夕に記者会見を行い、衆院解散を表明する。公示日や投開票日、解散の理由などを説明する見通しだ。自民党の鈴木俊一幹事長は18日のNHK番組で、日本維新の会との連立政策合意に明記している2年間の時限的な食料品消費税0%を選挙公約に盛り込むか、との問いに対し、連立合意を「誠実に実現していくことが基本的な立場だ」と前向きな姿勢を示した。
アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、与野党ともに衆院選に向けて消費減税を主張しており、「債券市場は財政規律維持に対する望みを失いつつある」と語った。市場参加者にとっては金利に対する目線が定まらず、「投資する状況ではない」と言う。
高市首相が会見で「金利上昇に対して危機感を示し、財政規律への配慮を示すことがいちるの望み」だとした上で、「期待が裏切られれば金利は一段と上昇する可能性がある」とみる。
債券
債券は大幅安。消費減税への警戒から下げが加速した。
ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は、衆院選の結果にかかわらず消費減税となる可能性が高まっており、財政拡張への不安が強いと指摘。「インフレ高進により日本銀行の利上げ到達点が上がることも考えられるため、どの年限も買いにくい」と話した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、消費減税が意識されて「超長期債中心に値動きが大きい。売りと買いの気配値も広がり、適正な価格が分からなくなっている」と述べた。
あすの20年債入札について、ニッセイアセットの三浦氏は「利回りの低い既発債を売って新発債を買う需要があるかもしれないが、無難な結果になっても相場が反転するシナリオは描きづらい」とみている。
新発国債利回り(午後3時時点)
株式
株式は続落。米国のグリーンランド領有に反対しデンマークを支持する欧州諸国に対し、トランプ米大統領が10%の輸入関税を課すと表明したことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長選びの不透明感が増したことなどが懸念された。
自動車や電機といった輸出関連や医薬品、建設株が安い。半面、食料品の消費減税観測から食料品や小売りは高い。
富国生命保険の佐藤篤有価証券部長は、これまでは金融政策正常化の流れで長期金利が2.5%程度まで上昇すると予想していたが、衆院解散と消費減税の動きを受けて「長期金利の上限が見通しづらくなってきた」と話し、「財政懸念が株式市場にも重しとなっている」との見方を示した。
みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、早期の解散・総選挙観測を材料とした先週の急騰を受けて利益確定売りも一部で出ていると指摘。「選挙の行方を測ろうと、市場はいったん立ち止まっている」と述べた。
為替
円相場は対ドルで157円台後半に上昇。トランプ大統領の欧州関税表明で投資家のリスク回避姿勢が強まり円が買われた後、ドルを買い戻す動きも出た。
みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの南英明ディレクターは、米国の欧州に対する関税で一時円が買われたが、材料としては消化しつつあり「消費税減税など財政悪化懸念による円安がメインシナリオだ」と指摘。高市首相が今夕の会見で「消費減税に言及すれば、円売りで反応する可能性もある」と語った。
ドイツ証券の小川和宏外国為替営業部ディレクターは、米国の対欧州関税について「欧州にとっては昨年4月の関税発動と同程度のインパクトがあり、トランプ大統領率いる米国はもやは西側ではないとの思いを強くしている」と話した。中長期的には「米ドル資産離れにつながるリスクがある」との見方を示した。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:アリス・フレンチ.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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