(ブルームバーグ):19日の日本市場は、債券が長期債中心に下落(金利は上昇)。新発30年債利回りは3.58%と過去最高を更新した。衆院選の公約に消費減税を盛り込む動きが与野党で強まっているとの観測から財政悪化が懸念され、売りが優勢だ。トランプ関税によるリスク回避で株式は続落し、日経平均株価は一時800円以上下落。円は対ドルで157円台半ばに上昇している。
高市早苗首相は19日、記者会見を行い衆院解散を表明する。公示日や投開票日、解散の理由などを説明する見通しだ。自民党の鈴木俊一幹事長は18日のNHK番組で、日本維新の会との連立政策合意に明記している2年間の時限的な食料品消費税0%を選挙公約に盛り込むかとの問いに対し、議論中だとした上で連立合意を「誠実に実現していくことが基本的な立場だ」と前向きな姿勢を示した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「消費減税の可能性が意識されて超長期債中心に値動きが大きく、売りと買いの気配値も広がっており、適正な価格が分からなくなっている」と語る。年度末が近づいて投資家が動きにくいことに加え、財政政策、金融政策ともに不透明感が強く、買い手がいない状況だと指摘した。
債券
債券は長期債中心に下落。与野党が衆院選の公約に消費減税を盛り込む公算が大きくなり、売りが加速している。
ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は、衆院選の結果にかかわらず消費減税となる可能性が高まっており、財政拡張への不安が強いと指摘。「インフレ高進により日本銀行の利上げ到達点が上がることも考えられるため、どの年限も買いにくい」と話した。
あすの20年債入札については「利回りの低い既発債を売って新発債を買う需要がある程度あるかもしれないが、無難な結果になっても相場が反転するシナリオは描きづらい」と言う。
為替
円相場は対ドルで一時157円台半ばに上昇。トランプ米大統領が米国によるグリーンランド領有に反対し、デンマークを支持する欧州諸国に対して10%の輸入関税を課すと表明したことで投資家のリスク回避姿勢が強まり、円が買われている。
ドイツ証券の小川和宏外国為替営業部ディレクターは、米国の対欧州関税により「ドル売りムードになっている」と言う。欧州にとって「昨年4月の関税発動と同程度のインパクトがあり、トランプ大統領率いる米国はもやは西側ではないとの思いを強くしている」と述べ、中長期的には「米ドル資産離れにつながるリスクがある」との見方を示した。
株式
株式は続落。トランプ大統領の欧州8カ国への関税表明や米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長選びの不透明感が増したことなどが懸念されている。
自動車や電機といった輸出関連や商社、化学など景気敏感業種が安い。半面、与野党が衆院選の公約に消費税減税を盛り込む見通しで、食料品や小売りは高い。
みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、早期の解散・総選挙観測を材料とした先週の急騰を受けて利益確定売りも一部で出ていると指摘。「選挙の行方を測ろうと、市場はいったん立ち止まっている」と述べた。
--取材協力:アリス・フレンチ.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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