高市早苗首相は19日午後6時に記者会見を行い、衆院解散を表明する。公示日や投開票日、解散の理由などを説明する見通しだ。市場では自民党を含む与野党で消費税減税を公約に盛り込む動きに警戒感が高まっている。

自民党の鈴木俊一幹事長は18日のNHK番組で、日本維新の会との連立政策合意に明記している2年間の時限的な食料品消費税ゼロ%を選挙公約に盛り込むかとの問いに、議論中だとした上で連立合意を「誠実に実現していくことが基本的な立場だ」と、前向きな姿勢を示した。

複数メディアの報道によると、高市首相は公約に食料品の消費税を時限的にゼロ%に引き下げることを盛り込むことを検討しており、共同通信は早ければ2027年1月から実施する案が浮上しているとしている。

早期の衆院解散方針が報じられて以降、拡張的な財政政策への期待から株価が史上最高値を更新する一方、円相場は14日に対ドルでほぼ1年半ぶりの安値となる159円45銭に下落し、債券相場は超長期債を中心に利回りが急上昇した。消費税減税は税収減と国債発行額の増加圧力につながるため、さらなる金利上昇を招く恐れがある。

高市早苗首相

マーケットコンシェルジュの上野泰也代表は19日のリポートで、消費減税は国債の市中発行額の増加圧力となる上、消費税減税の是非は債券市場参加者にとって「財政規律の強弱をシンボリックに示す」と指摘。衆院選で与野党が消費税減税論を掲げることは「債券市場のセンチメントを一段と悪化させる要因」だと記した。

週明けの日本市場では、消費減税観測から債券相場が下落(利回りは上昇)し、30年債利回りは前週末比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い3.58%と最高水準を更新。株式市場では食料品株や小売株が買われている。

朝日新聞が17、18両日に実施した世論調査では、物価高に対する高市首相の対応を47%が「評価しない」と回答。「評価する」と回答した39%を上回った。内閣支持率は67%と高水準を維持した一方、衆院選の比例区投票先で自民は34%と伸び悩んでいる。石破茂政権下で自民が敗れた24年10月の衆院選前は36%だった。

立憲民主、公明両党が結成した新党「中道改革連合」も、物価高に苦しむ家計への支援策として消費減税策を打ち出す方針を明らかにした。19日午後3時に基本政策を発表する予定だ。

公明党の西田実仁幹事長は同日午前の綱領発表会見で、食料品の税率をゼロとする政策について「財源をしっかり考えなければいけない」と説明。約500兆円の国の資産を一体運用する政府系ファンドの創設を通じて「財源を創り出し、それを基に食料品の消費税を恒久的にゼロにすることができる」と語った。

また、同席した立憲民主党の安住淳幹事長は、消費減税に関して「財源をどうするかということがないのに、ただ下げるというのは単なるポピュリズムだ」との見解を示した。

(高市首相の記者会見の時間や中道改革連合の会見内容を追加し、更新します)

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