トランプ米政権は、法執行当局者を大幅に増員するほか、ミネソタ州ミネアポリスへの兵士派遣に備える措置を講じている。ミネアポリスでは、移民・関税執行局(ICE)職員による女性射殺事件をきっかけに、住民の抗議活動が続いている。

複数の米当局者によると、国防総省はアラスカ州に拠点を置く米軍部隊1500人に対し、政権がミネソタ州への派遣を決定した場合に備える予防的措置として展開の準備を命じた。寒冷地での作戦に特化した第11空挺師団の部隊が対象とされた。

こうした動きと並行して、連邦捜査局(FBI)は全米の捜査官から、ミネアポリスへの一時的な異動の希望者を募っている。異動した捜査官が何を行うかは現時点では明らかになっていない。FBI捜査官の通常の職務はテロ対策や組織犯罪、重大な凶悪事件といった国家安全保障関連のものであり、街頭パトロールや移民取り締まりは含まれない。

ICE職員派遣に反対するデモ(セントポール、1月16日)

ミネソタ州のウォルズ知事は州内の法執行機関や緊急対応機関を支援するため、州兵を動員した。同州公共安全局はX(旧ツイッター)への投稿で州兵の動員について、「現時点で市街地に展開しているわけではないが、生命の保護や財産の保全、平和的に集会を行う全ての人々の権利の支援を含む公共の安全を支える準備は整っている」と説明した。

ウォルズ知事とミネアポリスのフライ市長は、トランプ政権が移民取り締まりを通じて混乱と暴力を助長していると批判し、ICE職員の撤退を求めている。

国防総省が部隊派遣の可能性に備えて準備を進めていることは、米紙ワシントン・ポストが最初に報じていた。

トランプ大統領は先週、反乱法の発動を警告し、国内に軍を投入する可能性を示唆したが、翌日にはその姿勢を後退させた。1807年制定の同法は、大統領が州兵の指揮権を掌握することや、国内の治安維持のために正規軍を投入することを認めている。州兵の指揮権に関しては、トランプ氏は昨年カリフォルニア州などで行使した。軍投入の権限が最後に発動されたのは、1992年のロサンゼルス暴動の際だった。

原題:US Readies FBI, Troops for Possible Minnesota Surge to Back ICE(抜粋)

--取材協力:Maria Paula Mijares Torres.

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