2024年、東南アジアの経済成長を象徴する国、ベトナムを震撼させる判決が下されました。被告の名はチュオン・ミー・ラン。ベトナム最大級の不動産開発会社「万盛発(VTP)グループ」の会長であり、かつてはベトナムの経済的成功を象徴する「不動産女王」としてその名を馳せた女性です。

彼女に下された判決は「死刑」。

罪状は、横領、贈収賄、そして銀行規則違反。彼女が首謀したとされる詐欺事件の規模は120億ドル(約1.8兆円)を超え、世界を騒がせた暗号資産交換所FTXのサム・バンクマン=フリードによる詐欺事件をも凌駕する、歴史的な巨額詐欺事件となりました。

この事件は単なる一実業家の不祥事ではありません。

それは、急速な経済発展の裏側で増殖した汚職の構造と、中国に代わる「世界の工場」を目指すベトナムが避けて通れない、国家の浄化プロセスの象徴でもあります。