(ブルームバーグ):米半導体大手インテルは、ネットワーキング部門NEXのスピンオフ(分離・独立)ないし株式の売却計画を見送ると発表した。同社傘下の部門として運営した方が成功の可能性が高いと判断した。
インテルは「NEXに関し、独立事業として運営する可能性を含め戦略的選択肢を徹底的に検討した結果、インテルの組織内での運営が成功に最善と判断した」と3日の発表資料で説明。「NEXを社内にとどめることで、シリコンとソフトウエア、システム間のより緊密な統合が可能になり、人工知能(AI)、データセンター、エッジの各分野で顧客への提供価値が高まる」とした。
広報担当者によれば、NEXへの出資を検討していたスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンとの協議は打ち切られた。インテルはNEXの分離に向け戦略的投資家を探していた。
今回の決定は、人員削減と事業売却を通じて会社の立て直しを図るリップブー・タン最高経営責任者(CEO)の戦略の進展を反映している。
インテルを巡っては、米政府が約10%出資する合意が今年8月に公表された。ソフトバンクグループもインテルに20億ドル出資し、普通株式を取得する。AI向け半導体で圧倒的シェアを占める米エヌビディアも50億ドル投資する。一連の動きを受け、インテルの株価は今年に入り倍以上に上昇している。
エリクソンのハードウエア製品の多くは、モバイルネットワーク機器向けにインテルが設計した半導体チップに依存しており、NEX部門の存続を確保することが極めて重要だった。
エリクソンの担当者はコメントを控えた。
原題:Intel Shelves Plans to Sell Networking Division After Review (1)(抜粋)
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