(ブルームバーグ):ソフトウエア大手の米セールスフォースが3日に発表した2025年11月-26年1月(第4四半期)の売上高見通しは市場予想を上回った。顧客による同社の人工知能(AI)ツール導入が進んでいることが示された。
発表資料によると、売上高見通しは111億-112億ドル(約1兆7200億円-1兆7400億円)。アナリスト予想平均は109億ドルだった。契約済みで将来計上される売り上げの指標である残存履行義務(RPO)は約15%増となる見通しで、アナリスト予想の10%増を上回った。先月80億ドルで買収した米インフォマティカの寄与分が、売上高を3ポイント、RPOを4ポイントそれぞれ押し上げるという。
セールスフォースは、営業開拓やカスタマーサービスなどの業務を自動化できるAIツール「エージェントフォース」の導入を推進している。ただTDカウエンのアナリスト、デリック・ウッド氏は決算発表に先立ち、価格設定の分かりにくさやデータの未整備などを背景に導入は主に試験的な段階にとどまっていると指摘していた。
セールスフォースの最高経営責任者(CEO)、マーク・ベニオフ氏はAIツールの採用が進んでいると強調。エージェントフォースの有償契約数は昨年のローンチ以降で9500件超に達したという。前四半期は6000件だった。AI関連ツールを含む部門の年間経常収益(ARR)は8-10月(第3四半期)で14億ドルだった。
株価は時間外取引で約5%上昇。ニューヨーク市場の3日終値は238.72ドルで、年初来では29%安となっている。
8-10月決算では、売上高が8.6%増の103億ドルとなった。一時項目を除く1株利益は3.25ドル。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は、売上高で103億ドル、調整後1株利益で2.86ドルだった。RPOは294億ドルで、予想の291億ドルを上回った。
11月-1月の一時項目を除く1株利益予想は3.02-3.04ドル。アナリスト予想平均は3.03ドル。
26年1月通期の調整後営業利益率は約34%となる見通しで、市場予想と一致した。
原題:Salesforce Gives Strong Revenue Outlook, Touts AI Adoption (1)(抜粋)
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