(ブルームバーグ):ポルシェは19日、人気のSUV(スポーツ型多目的車)「カイエン」の電気自動車(EV)モデルを発表した。ポルシェは当初、野心的なEV開発計画を進めていたが、需要低迷を理由に計画を見直してきた経緯がある。
カイエンEVの販売価格は10万5200ユーロ(約1900万円)からで、ワイヤレス充電に対応し、航続距離は約640キロメートルと、欧州で販売されているテスラ「モデルY」を上回る。
今回のEV発表は、ポルシェにとって微妙なタイミングとなった。同社はEV需要の低迷を受け、主力の「タイカン」など高級EVから、内燃機関車とハイブリッド車に再び軸足を戻している。ポルシェは10月に発表した7-9月期決算で、上場以来初めて四半期ベースで赤字を計上した。今年に入り業績見通しを4度も下方修正している。不振ぶりは親会社のフォルクスワーゲン(VW)にも影を落としており、ポルシェの株価はドイツの主要株価指数DAXから除外された。
ポルシェはEV事業縮小の一環として、カイエンの上位に位置づける新たな電動SUVシリーズの計画を棚上げし、他のEVモデルの投入も延期した。中国での販売不振や米国の関税の影響も受けた同社は、経営陣を刷新し、さらなるコスト削減を進めようとしている。
ポルシェは、2026年に業績が改善すると見込んでいる。マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライターズ元最高経営責任者(CEO)が同年、オリバー・ブルーメ氏の後任としてCEOに就任する予定だ。ハイブリッド車開発を得意とするライターズ氏の手腕は、同社が製品ポートフォリオを再構築する上で役立つ可能性がある。
ポルシェは新型カイエンを、当面のEV販売のてこ入れ役と位置づけている。20年以上前に登場した内燃機関モデルのカイエンは、常にポルシェの販売上位を占めてきた車種で、同社がスポーツカーブランドからより幅広い高級車ブランドに成長する上で、重要な役割を果たしてきた。
より高価格な「カイエン・ターボ」モデルは16万5500ユーロからで、最大1156馬力相当の出力を誇る。時速100キロに達するまでわずか2.5秒と、フェラーリの完全EVモデル「エレトリカ」と同等の性能で、これまでで最も高性能な量産型ポルシェ車だという。
原題:Porsche Unwraps Electric Cayenne SUV in Midst of EV Pullback(抜粋)
--取材協力:Monica Raymunt.
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