「時間・費用・情報・社内制度」の障壁も
学び直しの必要性は感じているが実際に学び直しができていない人が多い背景には、働きながら学び直しをするうえでの障壁が存在していることも挙げられる。
たとえば、文部科学省の調査によると、学び直しを行ったことのない社会人が学び直しを行わない理由として、「費用が高すぎること」(37.7%)や「勤務時間が長くて十分な時間がないこと」(22.5%)などが挙げられている。
また、厚生労働省の調査でも、企業で働く社会人が自己啓発を行ううえでの課題として、「時間・費用・情報・社内制度」の整備が指摘されている。
学び直しに関する課題を抱えるのは、個人だけではない。
文部科学省による別の調査によると、社会人学生を受け入れている国内の専門職大学院の60%以上が「社会人のニーズの把握」や「社会人や企業等への広報・周知」を、50%以上が「社会人が受講しやすい環境・制度の整備」や「学内の体制整備」などを、学び直しに関する課題として挙げている。
加えて、社会人の指導にあたり必要な諸整備に向けた「財源の確保」を課題とする専門職大学院も約半数に上っており、学び直しを希望する個人にとっても、それを受け入れる高等教育機関においても、「費用」の問題が高いハードルになっている。