封鎖されれば、世界経済に甚大な影響 緊張感が高まる「チョークポイント」

インドと中国は、何千年にもわたる歴史を持つ隣国です。

しかし、友好的な関係は長く続きませんでした。

1962年の国境戦争以来、両国の関係は修復されておらず、インドは中国に対して強い不信感と不安を抱いています。

2020年には国境で複数の衝突が発生し、双方に犠牲者が出る事態となりました。

かつては陸上で争っていた両国ですが、今やその対立の舞台は海へと広がっています。

世界で最も重要な6つの「海上チョークポイント」のうち、4つがインド洋に集中しています。

この地域は、世界貿易にとって極めて重要な場所です。

インドや中国のような国々にとって、インド洋への依存度は驚くほど高く、インドは国際貿易の約95%、エネルギーの80%を海洋に頼っています。

さらに、世界の海上石油の40%がインド洋で産出され、「海上チョークポイント」を通過する石油製品のほぼ半分はインドと中国に届けられています。

特に中国のエネルギー安全保障に焦点を当てると、中東とアフリカからの石油に大きく依存しており、そのほとんど全てがマラッカ海峡というチョークポイントを通過します。

もし、この航路が封鎖されれば、世界経済に甚大な影響を与え、紛争の引き金になりかねません。

この事態を避けるため、中国は「一帯一路」政策の一環として、インド洋に数十億ドル規模のインフラ投資を行い、影響力を拡大しています。

空港、ダム、国営放送局など、中国の影響力はインフラのあらゆる場所に見られます。

モーリシャスでは、中国の通信大手ファーウェイの監視カメラが設置されるなど、その活動は多岐にわたります。

これらの事業は経済発展を促すため、各国に歓迎されているのが実情です。