ソフトウエアメーカーの米オラクルでは、9月の最高経営責任者(CEO)交代後、共同創業者で会長を務めるラリー・エリソン氏の指揮下にある従業員の数が増えている。

最高技術責任者(CTO)を兼任するエリソン氏(81)は、全従業員の40%に当たる6万4000人を監督している。ブルームバーグが確認した組織図によると、同氏はサフラ・カッツ前CEOがこれまで率いていた一部チームも引き継いだ。カッツ氏は9月に退任。後任として、クレイ・マグワイク、マイク・シシリア両氏が共同CEOに昇格した。

エリソン氏は、オラクルがデータセンター建設計画を進める中で注目される財務部門の管理も担当。主力のアプリケーションおよびデータベースソフトウエア開発も引き続き統括している。

カッツ氏は2019年から単独CEOを務めてきたが、同社のクラウドインフラ事業が急拡大し、株価が上昇する中、後継計画が前倒しされた。昇格前のマグワイク氏はクラウド事業部門の社長を務めており、シシリア氏は特定業種向けソフトウエア部門の社長だった。

 

エリソン氏はこのほか、16年に買収した財務アプリケーション事業のネットスイートに加え、法務や人事などのチームをカッツ氏から引き継いだ。

一方、シシリア氏が率いる従業員は約8万4000人と、社内で最も多い。組織図によると、同氏は営業、顧客サポート、業種別アプリケーション開発を統括し、サーナー買収で得た医療ソフトウエア部門も指揮している。

カッツ氏は9月の新体制発表時に「技術系経営者2人が協力して顧客のニーズに応える、まさに理想的な組み合わせだ」と指摘していた。

オラクルは経営体制に関するコメントを控えた。

オラクル株は今年に入りほぼ2倍に上昇。CEO交代2週間前の9月10日には328.33ドルを付け、過去最高値を更新していた。その後、約27%下落したものの、年初来ではなお45%近く上げている。

原題:Oracle’s Ellison Gets More Employees After CEO Swap (1)(抜粋)

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