すべて「トランプのせい」では済まされない
バブルの生成、崩壊以降、日本のマクロ経済運営は、いわば失敗を重ねてきました。マクロ経済政策の司令塔がないばかりか、調整機能が弱く、財務省や日銀を筆頭に、それぞれの組織が、その組織論理で動き、仮に善意であっても、結果的に「合成の誤謬」や、「アクセルとブレーキ」になった例は、多々あります。
仮に、これで「利上げ終了」となり、「賃金と物価の好循環」が雲散霧消してしまうことになれば、なんと、もったいないことでしょう。デフレ脱却や経済正常化を実現する、またとない機会を、みすみす失うことがないようにする対応力が求められています。
すべてを「トランプのせい」にしてしまうのは、あまりに情けないことです。
播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)