(ブルームバーグ):シドニーのボンダイビーチで14日夕、武装した複数の人物が発砲し、銃撃犯1人を含む12人の死亡が確認された。ユダヤ教の祝祭「ハヌカ」の初日を祝うために集まっていた人々を狙った、オーストラリアで最悪級のテロリスト攻撃となった。
アルバニージー首相は深夜の記者会見で、ユダヤ人コミュニティーが「攻撃の標的」とされたと説明した。この事件を『国家を揺るがす邪悪な反ユダヤ主義によるテロ行為』と非難し、反ユダヤ主義を徹底的に取り締まる方針を示した。
オーストラリアのユダヤ人人口は2021年時点で11万6967人と推定されており、世界で10番目に多い。シドニー東部郊外のボンダイは、同国の主要なユダヤ人コミュニティの一つである。
ニューサウスウェールズ州のラニオン警察長官は記者会見で、銃撃者の1人は死亡し、もう1人が病院で重体だと述べた。長官はまた、この事件をテロ攻撃と認定した。負傷者は警察官2人を含む少なくとも29人で、シドニー各地の病院に搬送されたと付け加えた。
現場周辺では複数の不審物が見つかっており、専門家チームが調べている。立ち入り禁止区域も設定されているという。
シドニー・モーニング・ヘラルドによれば、銃撃事件は現地時間午後6時半(日本時間同4時半)すぎ、ハヌカの始まりを祝うイベントに大勢の人が集まっていた中で発生した。
オーストラリア放送協会(ABC)は、ビーチ近くの歩道橋から黒い服を着た2人の銃撃犯が人々に向けて発砲する映像を放映した。
イスラエルのサアル外相は「2年前からオーストラリアの街頭で横行する反ユダヤ主義の暴走がもたらした結果だ」とこの銃撃を非難。「数の警告サインを受け取っていたオーストラリア政府は、目を覚まさなくてはならない」と呼び掛けた。
2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを急襲し、パレスチナ自治区ガザでの戦争が始まって以来、オーストラリアでは複数のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)やユダヤ系ビジネスの拠点、住宅が攻撃の標的とされてきた。
原題:Twelve People Killed in Bondi Beach Hanukkah Terror Attack (2)(抜粋)
(死者数を更新し、オーストラリア首相やイスラエル外相のコメントなどを加えます)
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