ウクライナのゼレンスキー大統領は欧米などからの「安全の保証」が得られれば、NATO=北大西洋条約機構の加盟を断念する用意があるとの考えを明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は14日、アメリカのウィットコフ特使らと協議するため、ドイツに到着しました。

ロイター通信などによりますと、これに先立ち、ゼレンスキー氏は、ウクライナのNATO加盟について「アメリカやヨーロッパ諸国の中には支持しない国もある」としたうえで、和平交渉の妥協案としてNATOへの加盟を断念する用意があるとの考えを明らかにしました。

代わりに、アメリカやヨーロッパ、それにカナダ、日本なども関与する形で「安全の保証」を受けることを求めています。

一方、ウクライナ東部の一部地域からウクライナ軍を撤収させて、「自由経済地域」を設けるというアメリカ側の提案については、「公平性を欠く」として否定的な考えを示しました。

15日には、ゼレンスキー氏とメルツ首相など欧州各国の首脳らによる会談が予定されています。隔たりが指摘されるアメリカとウクライナ側の和平計画について、条件面で折り合いがつくのかが焦点です。