投資エリア選好

「今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資エリア」について質問したところ、「東京都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)」(73%)との回答が最も多く、次いで「福岡市」(13%)、「大阪市」(9%)、「東京都区部(都心5区を除く)」(9%)との回答が多かった。

ニッセイ基礎研究所と価値総合研究所の調査によれば、日本の「収益不動産(約315.1兆円)」の約4割が東京都に集積している。市場規模の観点から投資エリアとして、東京都心部の優位性は高く、「都心5区」との回答は前回調査の59%から73%に増加した。

また、地方都市では唯一、「大阪市」の回答が前回調査から増加した。大阪市では、梅田駅や淀屋橋駅を中心に複数の大規模開発計画が進行し都市機能の更新が進んでいることから、期待が高まっているものと考えられる。

不動産投資市場のリスク

「不動産投資市場への影響が懸念されるリスク」について質問したところ、「国内金利」(71%)との回答が最も多く、次いで、「建築コスト」(62%)、「米国・政治」(44%)との回答が多かった。

「国内金利」に関して、日本銀行は今年1月の金融政策決定会合で政策金利を0.50%に引き上げた。引き続き段階的な利上げが想定されるなか、これまで低下基調にあった不動産キャップレートが反転に向かう可能性もあり、金利上昇への警戒が高まっている。

「建築コスト」に関して、資材価格や労務費などの上昇が継続するなか、新規開発計画の見直しや竣工時期の延期が増加しており、建築コストの上昇リスクが強く意識されているようだ。