タイとカンボジアの軍事衝突が再び激化し、国境地帯は緊迫しています。カンボジア国防省は、タイ軍による空爆などを受け、「複数の民間人が負傷した」と非難しました。

タイとカンボジアの国境地帯では7日以降、複数の地域で両軍の銃撃戦が発生し、タイ軍は8日、自衛のための措置だとしてカンボジア軍の陣地など複数の軍事目標を空爆したと発表しました。

カンボジア国防省の報道官は、タイ軍が空爆や毒ガス弾による攻撃を行ったと主張し、「複数の民間人が負傷し、多くの家屋が焼き払われた」と主張しました。

そのうえで、今年10月にアメリカのトランプ大統領らの仲介で結ばれた和平合意に違反する「非人道的な行為だ」と強く非難しています。

カンボジア側では子どもたちが学校から急いで帰宅したり、国境周辺の道路が避難する車両で混雑したりと、緊迫した状況になっています。

また、タイ側でもこれまでに兵士1人が死亡、8人が負傷したほか、カンボジア軍による砲弾が住宅地に着弾していて、3万人以上の住民がシェルターに避難しているということです。