(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXが「Starlink Mobile(スターリンク・モバイル)」の商標を米特許商標庁(USPTO)に申請していたことが確認された。衛星ネットワークを利用した携帯通信事業者を設立する意図を示唆する動きだ。
同庁のウェブサイトによると、申請したのは10月16日で、現在は担当審査官の割り当て待ちになっている。申請内容には個人向け携帯通信サービスやテキスト・音声・音響の双方向送信が含まれる。
スペースXの広報担当者は、コメントの要請に対してすぐには応じていない。
衛星通信サービスの「スターリンク」は、数千基にのぼる衛星ネットワークを通じて宇宙からブロードバンド・インターネットを提供する。同部門の急成長がスペースXの驚異的な企業評価額を支える。ブルームバーグは5日、予定されている株式売り出しで評価額が8000億ドル(約124兆円)に達する可能性もあり、早ければ来年後半に新規株式公開(IPO)する見通しだと報じた。
現在スペースXは、TモバイルUSと提携して低軌道を周回するスターリンクの衛星ネットワークを使って、地上の電波が届かない「圏外エリア」での接続提供を進めている。
マスク氏は、9月に出演したポッドキャストで、AT&Tやベライゾン・コミュニケーションズと直接競合する独立系携帯キャリアの設立が「選択肢の一つ」となり得ると語っていた。
同月、スペースXが無線周波数帯を取得する170億ドル規模の契約をエコスターと結んだことで、スターリンクが消費者にモバイルサービスを直接提供できる能力は高まった。
原題:SpaceX Files Starlink Mobile Trademark in Possible Carrier Play(抜粋)
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