「トヨタ以外出血」の状況下で「1+1=2にならない」
こうした両社の特徴は統合でシンプルに組み合わせられるわけではないようです。単純計算で三菱を含めた販売台数が800万台超となる経営統合でも「企業の統合は“1+1=2”とならない状況が一般的には多い」と高橋さんは指摘します。

「大きな企業が統合するときは工場の閉鎖、リストラなどの再編成がある」として、必ずしも世界第3位規模の自動車グループが誕生するとは限らないと示唆します。「(生産能力などの)数字がちょっとずつ削られていきながら、長期的にどういったバランスが継続的に現実的なのかが見えてくると思います」
国内ではトヨタを中心とするグループと自動車市場を二分することになりそうですが、それでも “ホンダ日産連合”の旗色は良くないようです。
「日本の自動車産業は世界的に見れば少し安定した市場かもしれません。ただ北米市場は極めて競争が激しくなっていて、中国はもちろん国内のEVメーカーなどが強くなっている。日本の自動車は、トヨタ以外は出血しています」
「ホンダと日産は強いところから互いの統合を求めているわけではない、という理解は大事だと思います。お互いが厳しい中での統合の協議なので、生き延びるための応急処置とも言えるかもしれません」