靴紐さえ結べない体で約束した「オートレーサー復帰」

「命を助けるために、命を優先して完璧(な体)には戻せなかったと先生に言われました。でも必ずここ(オーバル)に戻ってきます」

麻痺が残った足。まだ杖でしか歩けず、24本のボルトで固定され、かがむことも、靴紐を結ぶことさえできない体で約束した「オートレーサー復帰」。

カメラの前で宣言してしまえば、後には引けなくなる。だからこそ、自分を追い詰めるために口にした「復帰宣言」だった。

彼の生き様に惚れ、復帰まで見届けたいと長期密着取材を申し出た。11月29日に公開された映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」は、そんな森且行の“生きる道”を3年以上にわたる密着取材でみつめた作品だ。