英国のＡＩスタートアップ、投資家にチャンスもたらすか－25社に注目

（ブルームバーグ）：ブルームバーグは人工知能（ＡＩ）が席巻する世界を見据え、英国の有望とみられるスタートアップ25社のリストを今年も作成した。

2023年に停滞していたベンチャーキャピタル投資が伸び始め、２年前に対話型ＡＩ「ChatGPT」を投入し旋風を巻き起こした米オープンＡＩに触発されたＡＩマニアは英国でも健在だ。

リストに名を連ねたロンドンを本社とする自動運転企業ウェイブ（Wayve）は今年、ソフトバンクグループやエヌビディア、マイクロソフトなどが参加した資金調達ラウンドで10億ドル（約1500億円）を集めた。

英国でのテクノロジーの進歩を称賛したのは投資家だけではない。英国で設立されたＡＩ研究所グーグル・ディープマインドの科学者たちは、50年前から続くタンパク質の構造予測という難問の解決に役立つモデルでノーベル化学賞を受賞した。

カーディフやロンドン、ブリストル、サウサンプトンなど英各地から数百件のアピールが寄せられたが、グリーンエネルギーや炭素会計、ヘルステクノロジーの分野における革新的な企業、それに量子コンピューティングの大きな謎の一つ「このテクノロジーを実用化に役立てるにはどうすればよいか」という問題の解決に取り組むスタートアップなどを選んだ。

１．Algreen

創業者：Zhixuan Wang、Roderick Thackray
設立：2020年
事業：プラスチック汚染に対するグリーンソリューション

２．Allye Energy

創業者：Jonathan Carrier, Lorenzo Bergamaschi, Jack Levy
設立：2021年
事業：送電網の老朽化に対応するバッテリーの開発

３．ANNA

創業者：Boris Diakonov, Eduard Panteleev
設立：2017年
事業：中小企業が税金や会計などのタスクを週10分で完了できるようにするアプリ

４．Arondite

創業者：Will Blyth, Rob Underhill
設立：2023年
事業：防衛産業で使用されるセンサーやロボット工学、自律システムと、それらを監視する人間との間のコミュニケーションを改善することを目的とした軍事用ＡＩツールおよびソフトウエア

５. Audiomob

創業者：Christian Facey、Wilfrid Obeng
設立：2020年
事業：ゲーム上の音声広告。サウンドはゲーマーにとってあまり邪魔にならず、ゲームを続けながらメッセージを受け取る。同社はゲーム以外のアプリやポッドキャスト広告にも事業を拡大している

６．Basecamp Research

創業者：Glen Gowers、Oliver Vince
設立：2019年
事業：遺伝子治療薬のＡＩモデル。同社の基盤モデル「Basefold」は倫理的に入手された生物学的情報の最大規模のデータベースを使用。これにより「スーパーコンピューター上で生物学の複雑性を完全に再現」できると考えている

７．Carmoola

創業者：Aidan Rushby, Amy Rushby, Roman Sumnikov, Igor Gordiichuk
設立：2021年
事業：スピーディーな自動車ローン提供。中古車購入のための迅速な事前承認融資を行うアプリを設計

８．Circulor

創業者：Douglas Johnson-Poensgen
設立：2017年
事業：サプライチェーンの透明化。新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）により、半導体からトイレットペーパーに至るあらゆるものが不足し、現代のサプライチェーンがいかに複雑であるかが浮き彫りになった。同社のテクノロジーはこれらの複雑なネットワークにトレーサビリティーをもたらし、企業の排出削減と効率性向上を支援することを目的としている

９．Cleo