■「高齢出産のリスク」「幸せの共同幻想」年齢を“意識”するワケ
久保田編集長:
そんな中でさらに、周りがよかれと思って言う一言が、ハラスメントのように感じ受け止める人がいるようなんです。
例えば「30歳までに××しなよ」と言われたことがあると答えた女性は、57.1%。具体的にどんなこと言われたかというと「結婚」についてだとか「妊娠」「出産」「キャリア・仕事」についてなどです。
まさに悩んでいることについて、こうしなよと言われるとちょっと・・・と思いますが、街の声を聞きました。
街の女性たちの声
「周りから『そろそろ結婚は?』としつこく聞かれる。
「理由もなしに『キャリアチェンジは30歳まで』と言われる」
分かってるよと思わず言いたくなるよな感じなんですが・・・どうですか?
小川キャスター:
何の気なしに言われる言葉なんですけどね。敏感なのでグサグサきちゃうんですよね。
国山キャスター:
私が反省しているのが、男性にも言っている気がします。「そろそろ30歳なんだからそういうのを考えないの?」って。これ決して女性だけではなく、男性も色んな考え方、キャリアも結婚もあると思うので、言ってしまった過去ありますね。
小川キャスター:
女性は特に出産のタイムリミットを意識することが増えてくるので、そこでどうしてもキャリアか、家庭かそれともそれを両立させるのか。両立させるとしたらどうやっていけるのかっていうのが、ずっとぐるぐる頭を巡ってた気がします。
久保田編集長:
言われなくてもずっと考え続けているこの「30」という数字、なぜこんなに意識してしまうんでしょうか。動画の中では識者の2人に聞いています。
まずは世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは、「高齢出産のリスク」というものが広く認知されてきたことを挙げています。若い方が良いという漠然としたものじゃなくて、若くて卵子の劣化が少ない方がいいよというような、ちょっと科学的なものが広まってきたということですね。
そして慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、もっと根っこにある部分、社会には“幸せの共同幻想”がある、ということを話しています。つまり「こういうふうにした方がいいよね」っていう共通の価値観を持っていて、それをどうしても提示したくなるのではないかと話していました。