北陸電力の2023年3月期の決算は、燃料費の高騰が響き2期連続の赤字となりました。最終赤字は884億円と過去最大を更新し、松田光司社長は今後5年間の中期経営計画を策定し、財務基盤の強化に取り組む考えを示しました。
北陸電力の2023年3月期の連結決算は、売上高が8176億円と前の年に比べ、2038億円増加しました。

しかし、火力発電で使う石炭などの燃料価格の高騰や、円高が利益面を圧迫し、経常損失は937億円の赤字、純損失も884億円の赤字といずれも過去最大を更新しました。


北陸電力 松田光司社長:
「かつてない大幅な赤字、そして2年連続の赤字になりました。関係の皆様にご迷惑をかけておること、そして値上げをさせていただくこと、大変心苦しく思っております。そしてこの決算につきましては、大変重く受け止めさせていただいております」

北陸電力は、今後5年間の新たな中期経営計画を発表しました。計画では電力の安定供給と収支改善および財務基盤強化を最優先課題とし、収支改善策として断層問題で現在停止している志賀原発2号機の再稼働に向けた対応を1番に掲げました。


一方、気になる家庭向けの規制料金をめぐっては去年11月に燃料価格の高騰を理由に、平均45・8%の値上げを経済産業省に申請しましたが、先月、経産省は燃料価格が下落傾向にあるとして値上げ幅の再計算を北電側に要請。さらに26日、専門部会が家計負担を軽減するため値上げ幅を圧縮する査定方針を示しました。

これにより、北陸電力の値上げ率は申請当初の45・8%から圧縮される見通しで、値上げは査定方針が正式決定となる6月以降となる公算が大きくなっています。
北陸電力 松田光司社長:
「専門会合で色々なご指摘を受けております。本当にそれらを踏まえて、皆さんのご理解を得られると思いますので、厳格な審査をふまえて改めてその内容で補正申請させていただきたいと思います」
今年度の業績予想については、規制料金が審査中であり、業績への影響が見通せないとして、売上高、利益予想ともに未定としています。