自動車関税が引き下がっても、これまでよりも関税は高くなることから依然、自動車会社への負担は重くかかることになります。こうしたなか、新たな局面を切り開こうと、EV=電気自動車市場で「コンパクトな規格の車」の投入が相次いでいます。

電気自動車が普及する新たな時代のカギとなるのでしょうか?

スズキ 鈴木俊宏 社長
「新型『eビターラ』を皮切りに競争が激しいEV市場に参入してまいります」

きょう発表されたスズキとして初めて投入するEV。この小型のSUVの生産はインドで行われ、世界戦略車として展開されます。

トランプ政権の登場により世界的にEV市場は失速。停滞するなかでもスズキは“コンパクトな規格”に期待を寄せます。

スズキ 鈴木俊宏 社長
「近距離でそれなりに重くならずに移動できるところは、グローバルに見てコンパクトカーや軽乗用車」

“コンパクトな規格”をめぐっていま、し烈な争いが起きています。

ホンダも先週、初の“軽乗用EV”を発売。日本人が慣れ親しんだ“軽規格”の投入で市場の活性化を狙います。価格はおよそ270万円。航続距離はトップクラスです。さらに…

記者
「車にコンセントを差し込めば、家電も動き始めます」

“走る蓄電池”として使い勝手の良さをアピールします。

ただ、この“軽EV”の市場。今後、強力な対抗馬の登場が予想されています。

 ホンダ 日本統括部 川坂英生 統括部長
「中国系のメーカーさんの進出もある。今後の競合環境は厳しくなってくるという見通し」

中国のBYDは来年後半に軽乗用車を日本に投入する方針です。スズキの社長は中国勢について…

スズキ 鈴木俊宏 社長
「BYDさんが日本の軽の規格を選んでくれて、市場に参入するという意味合いはグローバルに見ても非常に大きい。切磋琢磨してやっていく必要がある」

日産や三菱自動車がけん引してきた軽のEV市場ですが、ホンダやBYDの参入によって誰が覇権を握るのか。次世代の開発・販売競争が本格的に始まろうとしています。