土地取り引きの目安となる地価公示が22日発表されました。すべての用途を平均した富山県内の地価は31年連続で下落したものの、富山市の商業地は3年ぶりに上昇に転じました。※県の発表に間違いがあり、4年ぶりとなっていた情報が3年ぶりと訂正されました。
全国の地価は都市部を中心にコロナ前への回復傾向がみられ、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも2年連続で上昇しました。
一方、富山県内の地価は全用途平均、住宅地、商業地でいずれも下落しましたが、下落率は縮小しています。
中でも、富山市の商業地は3年ぶりに下落から上昇に転じました。最大の要因は富山駅周辺で続く都市開発です。
不動産鑑定士 竹田達矢さん:
「新幹線開業以降、ずっと整備が続いているという中で(路面電車の)南北一体化があり、駅前で商業施設、また周辺でホテルが開業してどんどん良くなってきているという状況の中で、地価はそれを追うように上昇している」
富山県内で最も価格が高い土地を見てみると、住宅地は19年連続で富山市舟橋南町、商業地は9年連続で富山市桜町2丁目でした。
注目は、住宅地で第5位にランクインした富山市下新町です。
記者:
「富山市の環水公園の北側に位置する下新町。今回初めて地価の調査地点に選ばれました」
近年、区画整理が進み、住宅地としての人気が高まっている下新町。地価の変化が大きい地点として富山県内に232か所ある調査地点のひとつに入りました。
周辺では演劇やコンサートの舞台となる中規模ホールのほか、商業施設やオフィスが入る大型の複合テナントビルが建設中で、市民生活の向上が期待されています。
不動産鑑定士 竹田達矢さん:
「駅周辺であれだけ整備されて区画のきれいな土地は少ないんですね。そういう意味でも新しい町というところでも人気の高い地域になっていると思われます」
また、県内で最も地価の上昇率が高かったのは富山市八日町の工業地で、上昇率は5・7%と2年連続のトップとなりました。
北陸自動車道富山インターチェンジに近く、物流施設の需要が高いことが上昇の要因です。
一方─。
記者:
「地価の下落が目立ったのは高岡市の商業地です。大和高岡店の閉店後、景気の低迷が続いています」
地価の下落率1位と2位は高岡市の商業地で、1位はホテルニューオータニに近い新横町、2位は御旅屋セリオに近い宮脇町でした。下落率はいずれも2・6%でした。
不動産鑑定士 竹田達矢さん:
「大和がなくなったこともあるんですが、中心になる核になる施設がないですよね。そのなかでどっちかというと駅の南側の方の新しい商業地域の方が商業施設のニーズとしては高い」
富山県内の地価の見通しについて、不動産鑑定士の竹田さんは「需要の多い市街地と需要が少ない山間地で価格差が広がり、地価は大きく二極化されていく」と分析しています。