不登校の子どもの約4割に併存しているとされる「起立性調節障害」。朝起きられない、立ちくらみといった様々な症状が起こります。午前中に症状が酷く、午後には元気になることから「なまけている」と誤解されてしまうこともあり、周囲の理解と教育現場でのサポートが必要になります。自身も高校時代に発病した嘉藤奈緒子アナウンサーが当事者とその家族を取材しました。

ある日突然、身体に異変が…

母親「時間だよ、起きて。薬飲んで」

富山県内に住む中学3年生のAさん。中学2年生の冬に突然身体に異変が現れました。

起立性調節障害に悩むAさん(中学3年)
「最初は、全然朝起きられなくて、体調も悪くて、でも午前中のうちには元気になるから風邪かなと思っていたけれど、それがずっと続くから、うーん…という感じでした」

Aさんの母親
「3年に入って受験を控えて、2か月足らずのうちに15日以上休みになってしまって。先生からも、『このままだと高校受験も厳しくなってきます』という話をいただいて」

症状が出てからおよそ半年、欠席日数が増えてきたことから病院で検査をしたところ「起立性調節障害」と診断されました。

Aさんの母親
「欠席日数も増えて焦りもあり、本当に殴り倒して行かせようとした時もあったのですけれど、病名が付いて私自身もホッとしたじゃないですけれど、一区切りになったところはあります」

略して「OD」ともいわれる「起立性調節障害」。

日本小児心身医学会によりますと、軽症を含めると中学生の10人に1人が発症し、不登校の子どものおよそ4割がこの病気を抱えているとされています。