“消える高齢者”と題してお送りした先月19日の第1回の放送。富山県では2021年に行方不明になった1023人のうち、70歳以上の高齢者が322人に上り、1日1人が不明になるのに近い計算です。認知症と診断されたのは223人でした。そして放送直後にも高齢者が相次ぎ行方不明になりました。追跡するとそれぞれの家族のなす術もない厳しい現実が見えて来ました。

前回放送翌日の1月20日。
また、高齢者の行方不明を知らせる「報道機関広報連絡簿」が警察から届きました。

行方不明になったのは高岡市の74歳男性。特徴は茶色のジャンパーに黒色のズボン、黒色の野球帽にブーツを着用していました。この前日の午前8時ごろ、男性の親族が自宅にいるのを確認したのを最後に行方不明になりました。

男性が住んでいた家を訪ねると…。

記者:「すみません」

家にいないのでしょうか。反応はありません。3度目の訪問でようやく男性の親族に会うことができました。この親族は、男性の弟の妻でした。かなり高齢のようです。

記者:「認知症とか何かあったんですか?」
男性の親族:「それも分からんが。一緒におっても。元気は元気やった。散歩に行くとか言って飛んで歩いていた」

近所の人によると、男性は散歩が好きだったといいます。

結局、男性は自宅からおよそ2キロ離れた用水路で、遺体でみつかりました。行方不明になった翌日のことです。

富山県で認知症に関わる行方不明者223人のうち8人は遺体でみつかっています。全国で見れば、2021年に認知症やその疑いがあって行方不明になったのは17636人。その7割以上が警察に届け出があった当日に発見され、99%以上が1週間以内に発見されていますが、450人が事故などに遭い、亡くなっていました。

実は前回の放送翌日、別の行方不明の連絡も警察からありました。