射水市の83歳の男性が、先月19日午後9時ごろ、自宅で家族が確認したのを最後に行方が分らなくなりました。男性は上下とも白と紺色のチェック柄のパジャマ、オレンジ色のサンダル姿でした。
自宅を訪ねると、行方不明になった男性が自宅に戻っていました。
男性の妻が取材に応じました。
行方不明になった男性の妻:「いつも自分(夫)の席は決まってる」

男性は行方不明になった翌日の朝、午前6時半ごろ、自宅からおよそ7キロ離れた隣接する高岡市で発見されました。当時の高岡市の気温は4.1℃。寒空の下、ゴミ集積所の横で、うずくまっているところを発見され、警察に保護されました。体中に擦り傷があったといいます。
記者:「お父さん、道を歩いてたの覚えてる?」
行方不明になった男性:「道?」

妻:「夜中に…」
男性:「おら~?そんなんしょっちゅう歩いてるやん。別に何も」
妻:「このしゃべり方が…。こんなひどくなかったがですけど急に。
何を言ってるか分からない話し方になって」
男性:「これ何かあったん?」
男性は5年前、認知症と診断されました。
どういう状況で行方不明になったのでしょうか。

妻:「(行方不明になった前日は)全く普通でした朝から。全然変わった様子はなく普通でしたけど。それから9時にご飯を食べて2階に上がって“じゃあね”って言って(それぞれの)部屋に分かれたんですけど。私がトイレに起きたときに何か変だなと思って。ドアも開けっ放しにしてあるし。下(1階)に下りたら玄関の鍵が開けてあるし私の靴がないと」
「これを履いて行っていました。私のサンダルです。これを履いてよく高岡まで歩いて行ったなと思って…」

男性は自分の靴ではなく、妻のサンダルを履いて自宅を出たといいます。
記者:「その時心配じゃなかったですか?」
妻:「あー。心臓が動悸打ってた。こんな寒いところやし、それにパジャマ1枚でサンダルやから…」
記者:「お父さんはその時のことを覚えてるんですか?」
妻:「全く。そういうことがあったことも覚えてない。これからまたこんなんことがあったら困ると思って寝れない。私」

また行方不明になるのでは…。妻の不安はつきません。1週間後、ふたたび夫婦の自宅を訪ねました。すると妻の手には壊れたドアチェーンが。