(フィン事務局長)
いまロシアのウクライナ侵攻を受け、どうやって自分たちの国を守ろうかと考えていると思うのですが、国というのはそれぞれ、世界に対して、自分たちのアクションが世界にとって、どのような意味を持つのかを考える責任があると思っています。

多くの国々が、核に対しての依存を高めようとしていますが、あなた達はいったい誰のために働いているのですかと、それぞれの国に聞きたいです。

ロシア、中国が核兵器をもっと持とうとか、イギリスが増強しようとか、ベラルーシが憲法改正をしようとか、フィンランドやスウェーデンが核の傘の中に入ろうとしていますが、それぞれが、危険を増大させることだと思います。私たちはいまこそ、欺瞞をやめるときだと思っています。

ロシアの侵攻を見ていると、核兵器を持っていようと、持っていまいと、核があること自体が、どちらにとっても安全なことではないと分かると思います。ロシアに、このまま核兵器を持ち続けることを許すと、それは、中国かもしれないし、アメリカかもしれないし、分からないけれども、核兵器がある以上は、同じようなことがまた起きてしまうと思います。


いまこそ私たちは核軍縮を本気で進めないといけないと思いますし、これまではお互い、リーダーたちの信頼感みたいなものを頼りにしていましたが、結局そんなものがあてにならないということが、今回、本当に分かったと思います。

(小林)
被爆者が高齢化していますが、若い人も声を上げ始めています。被爆地広島に期待することはありますか?

(フィン事務局長)
広島というのは、やはり重要な場所であると思いますし、実際の被爆の経験を持つ歴史もそうですし、個人的な思いをたくさん持つ場所だと思います。新しい世代のお話もされましたけれど、彼らは核攻撃の影の中で育った子どもたちで、非常に注目していると思います。経験された方からお話を聞けるというのは、本当に時間はそんなに残されていません。

どんなことを覚えていらっしゃるのか、どんなことを残していかれるのか、専門家の人々から、どれほどの話を聞けるかが大事になっています。もちろん、広島がそのような思いを残して行こうとたくさんの努力をしていこうとしているのは分かっていますが、是非それは、次の世代だけではなくて、世界のリーダーたちも同じように聞いてほしいと思っています。


G7のリーダーたちを広島に呼ぶということは知っていますが、それだけでは足りなくて、ぜひ世界中の指導者に、広島に訪れてほしい、せっかくですから今のうちに、渡航ができるようになった、いまだからこそ、広島にいって、できるだけ早く、被爆者から直接の声を聞いてほしいです。