野球解説者 達川光男 さん
遠慮はしたらダメなんですよ。だけど配慮はしているということで。本当は、振り返ってみたらどうかわからんけど99%正解だと思うんですが、100%じゃないかもわからんのですが、新井は…、「新井」とあえて言うのはなぜかというと、監督時代じゃなくて…選手時代は石原(慶幸)・會澤とめちゃくちゃ仲がよかった。だから新井監督は、石原・會澤を誘って護摩行とかやっているわけよ。
本来なら情が入れば會澤を中心に使うんですが、やっぱり彼が監督を球団から任されて、やっぱりカープの将来のいろんなことをもう本当に苦渋の選択だったと思うんですよ。自分が一番かわいがっていた會澤を控えに回してまで坂倉を使っていくということは。監督になって一番つらい作業をしたのはそこだと思います。

石橋真 アナウンサー
それまで歩んできた道のりもありますもんね。
達川光男 さん
そのとおりなんですよ、もう本当にね。石原と會澤と暇さえあったら一緒に食事に行ったり、野球談義にものすごく…、そして一緒に3連覇もしました。最初は石原が出ていて、その次に會澤が出ていって、會澤の後に抑えのときには石原が出てって、それで2018年は會澤を中心に、會澤が育っていくわけですよ。
會澤時代到来というところだったんですが、いかんせん、DeNAの横浜スタジアムでちょっと肉離れをしたりして、デッドボールが当たったりとか、そういうところで少し衰えたと。衰えたと言ったら會澤に怒られるかもわかりませんが、年間通してできづらい状況になったので。まだ坂倉も若いし、今おっしゃったようにバッティングもすばらしいものを持っていますし…
石橋真 アナ
お互いがいいところを取り、いいところもアピールしながら、そして残り後半戦に向かっていければなと思いますけども。
達川光男 さん
いい話が…。會澤が今の坂倉に全然、嫉妬も何もしてない。ちょっと會澤と会って話をする機会があったんで。ぼく、この言葉を聞いたときに、なんと器の大きい男かなと思いました。ふつうなら恨みごとを言うか、グチの1つも言うじゃない。全く言わない。
「坂倉もよくがんばっている」と。「あいつのがんばりを見てたら何も言うことない」と。かっこええなと思うた。わしやったら、「西山(秀二)はがんばっとるけど、わしゃあ、負けはせんでえ」いうようなことを言うんじゃけど。
石橋真 アナ
いや、ぼくはそっちがふつうかなと思った。プロですから。
達川光男 さん
いや、(會澤は)真顔で言いましたよ。「坂倉はよくがんばっている。ぼくはね、日本一にとにかくなりたい。日本一になるためには、ぼくはサポート役に回った方が、このカープという球団がうまくいける」ということで黒子に徹しているというか。
石橋真 アナ
すごいですね。もちろん個人が大事だけど、チームとして何を目指すのか、もう1つもぶれていないような感じもします。
(RCCラジオ「おひるーな」 7月6日放送より)