広島県府中市の旧料亭旅館「恋しき」の飲食事業などで確認された不適切な事務処理問題で、市は22日、市議会全員協議会で内部調査の中間報告を公表しました。

内部調査は11月4日から、市危機管理監など部長級職員4人を中心とする調査チームが行っています。これまで文書や会計記録の調査、関係者延べ15人へのヒアリングなどを行ってきました。

公表した報告書では、「不適切な事務処理が契約事務、予算執行などにおいて、多岐、広範囲に行われていた」ほか、不適切な事務に関する内部通報のあった、ことし8月より前にも市役所内部で指摘が上がっておりながらも「是正していく組織統治が機能していなかった」と指摘されています。

その上で、確認された不適切な事務は4項目に上ります。

▼2024年9月に府中市内で行われた「小中一貫教育全国サミット」での懇親会を市側が持った際、会費を上回る支出が発生。その超過分を補填するため、翌月に福山市のホテルで開催された「日本ホテル協会秋季通常総会」で府中市産品出展事業という架空の事業を打ち立て、約49万円を架空支出が行われていた。
▼「A社」「B社」から、それぞれ約454万円、約20万円の未払い金があるとの請求が市に指摘されている。
▼府中市が「恋しき」の管理を市観光協会に委託しているところ、同協会は必要な市の承諾なく企業へ再委託していた。
▼「恋しき」の飲食事業で購入した食器などの購入費が工事費として繰り越した財源を流用するなどしていた。
いずれも、退職した元市経済観光部長が関与していたとのことです。

内部調査チームは市に対し、未払い金について関係者への説明や架空事業について市として法的な対応をとるべきか顧問弁護士と相談するといった対応をとるべきと指摘しています。

調査チームは2026年2月末までに最終報告をとりまとめ公表するとしています。これとは別に、弁護士による第三者調査も今後、行われるということです。

小野申人市長は「チェック機能が不十分に思う中で、早い時期にチェックできる部分もあったのではないかと非常に深く反省している」と述べました。