廣中さんと初めて会ってから1か月後、原爆についてあらためて勉強し、下書きを見てもらいました。

廣中正樹 さん
「全身、やけどをしとるけんね。ここは完全に身が出て、真っ赤っかになっとったけんね」

福本あおい さん
「(原爆投下)当時の色付きの資料や全く同じシチュエーションはないので、自分で考えていかないといけないというのがすごく難しい」

明るさや色味など詳細な描写の打ち合わせを重ね、下書きが完成し、実際のキャンバスに絵を描き始めました。

福本あおい さん
「やっぱり全然、サイズ感がわからないのが1番多くて。体型を今まで解剖学の本を見て書こうと思っていたけれど、それで書いていたら、今の健康的な体つきになってしまって…」

実際のポーズを友だちに写真に撮ってもらったり、戦時中の写真の本を読んだりして研究しました。背中のやけどの描写では…

福本あおい さん
「ちょっと難しかったので、献血に行っていたんですよ。見るに越したことはないので、やっぱり」

絵の制作を始めてから半年余り…。3年生の福本さんは、勉強に追われながらも試行錯誤を続けています。

廣中正樹 さん(83)
「なぜ、おやじは5歳の子どもにこんなことをさせたのかを問いかける。戦争になれば、こういうことになる人がおるんよと。(この絵は)そういうことを意味している。もう戦争はしたらいけんのんよと」

絵の完成は、ことしの8月6日までを目指しています。

福本あおい さん
「もし、期待に添えないものができてしまったらどうしようとか思うことはあったんですけど。がんばります。廣中さんの思いを一緒にみんなに届けていけるようなものにしたいです」