■子どもたちに大きな心の負担も
青山高冶キャスター
避難民の中で子どもたちの様子が非常に心配です。
久保教授
世界中で共通していることだと思いますが、一見、本当に楽しそうに遊んでいて、避難所の中でも大きな声で友だちと遊んでいる姿が見受けられます。一方で、子どもたちが絵を書いてるのですが、ハートの中が緑色になっていたり、黒く塗りつぶされていたり、何の絵かよくわからないような、非常に混乱した絵もあります。元気そうに子どもちは見えるのですが、本当にたいへんな思いをして、今、ここに避難してきているのだろうなと、うかがうことができました。
河村綾奈キャスター
子どもたちが描いた色からも心理的な負担がわかるということですね。
久保教授
国内の自然災害、東日本大震災ときにも、こういったことは確認されていると思います。やはり、たいへんな負担の中で子どもたちは生きているということだと思います
河村キャスター
今、避難をされている方はどんな場所で生活を?
久保教授
一部の方は避難センター。いわゆる日本の避難所のようなところで生活をされています。一方で、実は9割の方は今、個人のご自宅にかくまわれています。例えば、国境付近に避難民が入ると、モルドバのみなさんが、自家用車などで迎えに行って、見ず知らずの方を「ぜひ、うちに来ないか」と自宅に迎え入れているような状況があります。とても驚くべきことだと思うのですが、本当に家庭的な雰囲気、家族のように避難民の方がたをモルドバのみなさんは受け入れているという状況がありました。
青山キャスター
それでもやはり、避難民の方は心身ともにそうとう疲れている?
久保教授
いろんな場面があるので、一概には言えないのですが、だいたい5日間ぐらいかけて避難して、戦火を逃れて到着します。バスから降りてくるときには、本当にもう心身衰弱という状態で、医療従事者の方がたが抱き寄せて、「もう、だいじょうぶなんだ」というような場面も数多くあったと聞いています。