「あの事故さえなければ、主人が生きていてくれれば、お父さんが生きていてくれればっていう思いは本当に拭い去ることがどうしてもできません」

そう話すのは、広島県府中町に住む会社員・松本里奈さんです。
松本さんは今から約13年前、突然、夫を亡くしました。

クリスマスに起こった悲劇

2012年12月25日、広島県東広島市を走行中のトレーラーに積みあげられていた鉄板が落下しました。

1枚800kgの鉄板15枚が対向車線を走る乗用車を直撃し乗っていた2人が死亡。その1人が松本さんの夫・康志さん(当時45)でした。

その後の警察の捜査で、トレーラーの運転手が鉄板の固定作業を怠り、たった1本のワイヤーロープで括られていたことが発覚しました。

これについて松本さんは「たった15分の横着で赤の他人2人の命が奪われた」と話します。

夫・康志さんが巻き込まれたのは「事故」ではなく「事件」でした。