新米の季節。広島市内のスーパーにも県内産の新米が並びました。価格は税込み5kg4千円台後半です。ひと月前、JAひろしまの予想は「3000円から3500円で落ち着くんじゃなかろうかな」というものでした。
なぜ予想は外れたのか?節目となったのがJAが「概算金」の大幅引き上げでした。さらに、地域のJAが概算金をさらに上回る金額でコメを買い取るというのです。米価が高止まりする中産地で何が起きているのでしょうか?
そもそも概算金とは、新米を集めるために農家に支払う前払い金です。ことしはコシヒカリ1等で30kg1万3千円です。店頭価格に直すと、5kg税込4000円台になるとみられます。そして今回注目したのが、地域のJAの中に概算金をさらに上回る金額で買い取るという話です。この件についてJAは公表していません。

真相は何か探るため、広島県の三次市を訪ねました。三次市の大規模農業法人「神杉農産」では先月下旬から稲刈りが始まりました。その法人の社長が、JAのコメの買取り価格に驚いていました。
戸田博敬社長
「農協さんも腹をくくってくれたのかな、三次に至ってはコシヒカリで1万5千円で買い取りということになりますから、これはもうスゴいな」
戸田社長が言及しているのは「コシヒカリ1等30kg」の価格についてです。先月上旬、概算金1万3千円の話を聞いた直後、今度は地元JAが1万5千円で買い取ると言ってきたというのです。実は、戸田社長はことし6月、こんな話をしていました。
神杉農産 戸田博敬社長
「これまでうちは農協さんとの取り引きがメインだったんですけど、消費者との結びつきをより強くしてですね」
JAへの出荷を減らすつもりだったのですが、買取り金額を聞いて考え直しました。
戸田博敬社長
「大変いい価格を出してもらって。従前から農協さんがメインだったんですけど、そこは変わらないかなというところはあります」