外野守備の着実なレベルアップを図る中村奨成ですが、攻撃面でも1軍レベルへの成長を見せています。その中でも特に印象に残っている “2つの打席” があったと振り返ります。

中村奨成 選手
「アキさんがヒットで出て、あのときは1点差でした。何かしらこう仕掛けるだろうなっていう心の準備はできていたので」

8月28日の中日戦。1点ビハインドの4回に先頭の秋山がヒットで出塁した場面で回ってきた2番・中村奨成は、バントの構え―。

その初球はバットを引きます。そして、迎えた2球目。

実況 伊東平 アナウンサー
「さあ、ここはバスターで行った。サード、前進していた。その横を破りました。ここはバスターエンドランという形で秋山スタート、中村奨成はヒッティング」

中村奨成 選手
「初球、バントのサインが出て、引いて…。これ、なんかそろそろ来そうだなっていうのは、藤井(彰人ヘッドコーチ)さんとその前から話はしていたので、心の準備というのはできていましたね」

― バントは、プロに入って1軍では?
「決めたことないですね。はい。なので、バスターエンドランなんてたぶん、なおさらないですね(笑)。いや、本当にぼくのこの1軍生活の中でも初めてのサインといっても過言ではないので、それを一発で決められたっていうのは、少しはちょっと貢献できたかなっていうのは思います」

さらに最も印象に残っていたのは、8月12日。3度目の1軍昇格後、初めてのスタメンに名を連ねた地元での一戦でした。

中村奨成 選手
「3度目の昇格で上がってきて、ポンポンとスタメンで使ってもらって、なんとか結果を残したいっていう思いで、あのときもやっぱり先輩方がいい形でつないでくれたので、なんとか続けるようにっていう思いで、あのときはいました」

DeNA戦、1番・秋山から打線がつながり、勝ち越しに成功した3回、2アウト・3塁・1塁で中村奨成に打席が回ってきました。

実況 小宅世人 アナウンサー
「マウンド上、京山が中村奨成に対して1ボール・1ストライクから3球目を投げました。打ちました。打球が上がった。レフト、下がっていく、下がっていって、(打球は)フェンスに当たりました。その間に一塁ランナーは二塁を蹴って三塁に、中村奨成は二塁到達。中村奨成がチャンスで1つ、結果を出しました」

渾身の力を込めて振り抜いた打球は、自身、2年ぶりの1軍での長打。そしてタイムリーとなりました。